会社や仕事のあれこれを考えるブログ

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人生で大事なことは製造現場が教えてくれた

3「そのとき課長は」

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課長も悩んでいたと思う。管理職になって初めての部下が、毎日寝不足で出社して、いたるところでミスをして、頼んだ仕事はなかなか完了せず、現場からは苦情が来て・・
新任管理職に就任早々、頭を下げまくりだったはずだ。
課長はぼくを何度も机の前に呼び出し、みんなの前で立たせ、机をバンバン叩き、何時間も説教をした。

ただでさえ回らない頭が、叱責されてますます動かなくなる。人間、怒られ続け、否定され続けると、だんだん心も体も硬直し、動けなくなるということをこのとき経験した。

こうだろ!やれ!はやく!わかるだろ!前も言ったろ!いいか!なんでできない!
言われても一旦硬直した体はなかなか動かない。動けない。
日中何時間もそうやって怒られるので、たまっていた仕事がますますたまっていく。悪循環が渦を巻いているようだった。

 

ある時、どれだけの仕事があるんだ!机の中見せてみろ!ぜんぶもってこい!と言われ、
机に入っていたものを全部別室に運ばされた。
全ての紙資料を広げさせられた。いきなり服を脱がされるような暴力的な印象を受けた。
やめてください、自分でなんとかしますから、と主張したつもりだったが、声が小さすぎて聞こえていなかっただろう。
ホワイトボードに重要度と優先度の4象限のマトリクスを書いて、全てを当てはめ、解説してくれた。言い方はきついけど親身な人だ、根はやさしいのかもしれない、とほんの少し思えた。

でも、せっかくの有り難いご指導だったが、そのころの自分にはもう、なにもできなかった。
数日後にはすぐに元の状態に戻った。
なんであれがまだできてないんだ!おれが仕分けしてやっただろう!4象限覚えてるか?

 

ただでさえいろいろな部署からの問い合わせや確認などでしょっちゅう手元のPHSが鳴っていた。たまに課長から電話がかかってきた。番号が表示されるだけで鼓動が早くなり、冷や汗が出た。祈るように小さい声で出ると、怒鳴り声で叱責され、謝らされる。
すみません、すみません、すみません。
すみません、しか言えなくなった。説明しろ!しゃべれないのか!
説明したいが頭は回らない。どうせ何を言っても聞いてもらえない。
すみません以外には何も言わせてもらえない。
すみません、すみません。すみません、すみません。