会社や仕事のあれこれを考えるブログ

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「大事なデートがあるので残業は無理。帰ってもいいですよね?」

 

今回の質問

「大事なデートがあるので残業は無理。帰ってもいいですよね?」

これって正しい?

 

答え

理由によりますがデートでは残業を断る理由としては弱いでしょう。

 

今回のポイント


・会社が残業をさせるには条件がある
部下に残業をさせるには、会社は法的にはいくつかの条件を整える必要があります。
ひとつは36協定の届け出と言われるもので、
ふたつ目は就業規則に時間外労働の規定を記載すること、
とされています。

36協定というのは会社から役所(労働基準監督署)へ、うちの会社は残業をさせて頂きますという申請書のようなものです。原則的には一週間のうちに40時間までしか働かせてはいけないというのが法律なのですが、これを例外的に許可してください、というような意味合いになります。

もう一つの就業規則は会社のルールのようなものです。
これに会社が残業を命じることが出来ることや、従業員はその命令に従う事などの
規定を書いておかないといけません。
この二つがまずそろってはじめて会社は残業を命じることが出来るのです。

 

・条件を整えれば自由に残業させられるのか
さて、これらの条件が整えばどんな場合でも残業を命令することができるのでしょうか。
答えはノーです。
判例では、「業務上の必要性がある場合であっても、労働者に残業命令に従えないやむを得ない理由があるときは、労働者は残業命令に従う義務はない」ということになっています。
ではやむを得ない場合とはどのような場合なのでしょうか。
これについては、本人の病気、障害、夜間学生、家族の育児や介護、という事になっています。

 

・残業を断れる場合とは
そこで、今日のテーマですが、もうお分かりですね。
残念ながらデートではちょっと難しい・・かもしれませんね。
あくまで法的に、ですが。

 

実際の現場では

上司が残業をどのタイミングでお願いするか、もしくは従業者側から残業できないことをどのタイミングで申し出るかなどのタイミングや、その理由をどうするかなどについては
日々悩まれているケースも多いかと思います。

ただ、先程記載したような法的な内容を考慮しなければいけない程の争いに発展するケースというのは少ないのではないでしょうか。
身近なケースであればあるほど普段のコミュニケーションや人間関係が大事になるように思います。残業をお願いしても聞いてもらえるように(もしくは断れるように)というわけではありませんが、普段の人間関係を大事にすることはあらゆる労務関係トラブルを最小限に抑えるために必要な事と改めて感じます

 


なお、この内容はあくまで一勤務社労士の知識と経験に基づいてお伝えしています。
実際の事例においては必ず上司の方や人事部・総務部の方などにご相談ご確認
頂けますようよろしくお願いいたします。