今回のご質問
「私の会社には制服があります。この前着替えの時間が長引いて少し遅れたら給料を減らされました。着替えの時間って仕事の時間じゃないの?」
回答
・業務に必要な着替えなのであればそれは業務時間です。
今回のポイント
基本的には、使用者からの指示命令がある場合は、それは労働ということになります。
業務上必要な制服、保護具、作業服、を身に着けることが義務付けられているのであれば着用している時間は労働時間ということになります。
とはいえ、どう見ても必要な時間を超えてダラダラ着替えているなどの場合は、さすがにそれば・・ということになりますのでゆっくり着替えて残業代を稼ごう、というのはダメです。
実際の現場では
法律上は上記のように着替え時間も労働時間です、が建て前ですが、現実の職場では着替えてから始業時間に間に合うように職場に来なさい、というのが一般的なのではないでしょうか。
着替え時間を労働時間と認めた裁判で有名な三菱重工業長崎造船所事件というものがありますが、この案件では更衣室から実際の作業場まで移動するのに数十分かかった、と聞いたことがあります。着替えをするためだけに一時間近く早く会社に来なければいけないのならともかく、通常は数分程度のことなので、あまり問題にならないケースがほとんどなのではと思われます。
今回は着替え時間を取り上げましたが、労働時間になるものとならないものをおさえておくことはとても重要です。
労働時間に含まれるものとしては、
・使用者の管理下にある時間
・待機時間
・所定労働時間外の教育・訓練
・掃除やお茶の時間
・作業準備や作業後の整理
などがあり、
含まれないものとしては
・休憩時間
・自由参加の教育訓練
・自主的なサークル活動
・通勤時間
などが挙げられます。細かいケースは今後取り上げることもあると思いますが
労働時間に含まれるものとそうでないものがあるという事についてはご注意ください。
なお、この内容はあくまで一勤務社労士の知識と経験に基づいてお伝えしています。
実際の事例においては必ず上司の方や人事部・総務部の方などにご相談ご確認
頂けますようよろしくお願いいたします。