30「QC発表大会」
何事にも精力的だった高梨班長は社内で行われるQC発表大会にも意欲を燃やしていた。
QCはクオリティコントロールだが、品質だけでなくいろいろな改善活動による結果を職場ごとに発表し、優秀な職場は表彰された。
岡本君はすでに常連だったが、高梨班長は班で1チームという製造課のルールに上乗せし、高梨班はリーダーごとに1チームでるぞと宣言した。
つまりほかの班は1チームのところ、高梨班だけは3チーム出場することになる。
えー、というのがぼくらの感想だったがやるしかない。
改善事例は幸いそれなりにあったので、結果とプロセスがわかりやすく、改善結果が派手そうなケースを選んで、テーマを選定し、再度データをまとめ、パワーポイントで資料を作成し、発表者を決め、発表の練習をし、と準備をして臨んだ。
事業所内で入賞すると、事業部対抗の大会にコマを進めることができる。ある時は高梨班から2チームがダブル入賞し、事業部代表として事業部対抗戦へ臨んだこともあった。
みんな、仕事の後遅くまで資料作りをしたり、たどたどしいプレゼンの練習をしたりして、それなりに苦労したが、今となってはよい思い出になっている。
