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内定取消(泣)。諦める前に知っておくこと。

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 今回の質問

就職試験を無事終わり、社会人としての生活を楽しみにしていたある日、就職予定だった会社から「次年度の採用は見送ることになった。内定を取り消すので、入社も辞退していただきたい」という内容の連絡が届きました。

どうすればいいのでしょうか。

 

回答

取り消しの理由次第ですが、内定取り消しは難しいものと考えられます。

 

今回のポイント

・内定と内々定

まずは内定と内々定の違いを知っておくと分かりやすいかもしれません。

受験者側の感覚も、字そのものもあまり大きな違いはないように思いますが、

これを採用予定者と採用決定者と置き換えると大きな違いが見えてきます。

内定および決定者については、労働契約を結んだもの(正式に取り合わしをしていなくても内定式や入社誓約書を提出しているなどのように契約を交わしていると思われるものも含まれると考えられます)と考えられますので、この状態に至ってからの取り消しはすなわち解雇を意味します。

解雇というのは非常に重要な手続きですので簡単にできるものではありません。

逆に、内々定の場合はあくまで予定ということですから、受験者側もまだほかの企業を選ぶことができる状態です。

ただ、内々定だからといって企業側が簡単に破棄できるかというとそうでもなく、受験生側の期待もあるわけですから損害賠償などを請求できるものと考えられます。

ここでは内定と内々定についてわかりやすくするために明確に区分けしましたが現実にはその線引きは難しい場合もあります。ただどちらにせよ企業側から一方的に安易に破棄できるものではないということになりそうです。

 

 

・では内定取り消しが認められる場合とは

前項では内定を取り消すことは難しいことをお伝えしました。

ではどういう場合に取り消しが認められるのでしょうか。

具体的には、予定の時期に卒業できなかった場合、長期療養や逮捕などのために予定の期日に出勤することができなかった場合、健康状態の悪化などによって職務をこなせる状態でなくなったと考えられる場合、経営上の理由により整理解雇をせざるを得ないと判断される場合、などと言われているように、受験者側もしくは会社側に相当に大きな問題があった場合、と考えることができそうです。

 

実際の現場では

過去このような事例に直面したことは幸いにしてまだありませんが、もし受験者の立場であればまずは事情を確認し、それでも入社を希望するのであれば再度の受験を志願する、誠実な対応が得られないなどであれば損害賠償を行う、などが考えられるのではないでしょうか。

会社側の場合も、長い採用活動期間を経て直前に取り消しの決定が下されるのは担当者としてはたまらないことと思いますが、受験生の身になればこそ、ぜひできる限りの誠意ある対応をお願いしたいと思います。

 

なお、この内容は起こり得る事例を想定し、一勤務社労士の知識と経験に基づいて

一般的な解説をお伝えしています。

実際の個々の事例においては様々な要因を考慮する必要もありますので、必ず上司の方や人事部・総務部の方などとご相談やご確認のうえ、慎重なご対応をしていただくことをお勧めいたします。