7「組合へいく」
翌日、組合へ行ってみた。実務の担当者としてよく組合の書記長とは一緒に仕事をすることも多かった。何か話ができるんじゃないかとおもった。
書記長はぼくの姿を見ると、これまでと打って変わって迷惑そうにこういった。
会社がきめたことだからさ、しょうがないんじゃない。
課長さんも君の指導についてはずいぶん悩んでたんだよ。
課長は怒るのが趣味なのかと思っていた。自分のことを嫌いだから怒っているのかと思っていた。課長は悩んでいたのか。自分のせいで課長を悩ませていたのか。
あまり人を悩ませるわけにもいかない。そう思ってすぐ組合事務所を出た。
もう一か所、本社の相談室にも相談した。
東京にあるその相談所の相談員の人は、地方の事業所で起きているこの出来事について
事前に知らされているとは思えなかったが、なぜか回答は組合の支部長と同じだった。
相談できそうなところは、思いつく限り全て行った。
誰も助けてはくれない、そう思った。