今回のご相談
「インフルエンザなのに、“オレは大丈夫!気合で治す!”と言って会社に来る上司。
迷惑なので来ないでほしいんですけど・・。」
お答え
インフルエンザは感染のリスクがあります。複数の法律で取り決められているほどです。具体的には・・。
今回のポイント
インフルエンザにもタイプがある
インフルエンザに関連する法律としてはまずは感染予防法という法律があります。
実はひとくちにインフルエンザと言っても、通常の季節性のインフルエンザ、新型インフルエンザ、鳥インフルエンザなど、さまざまな種類があり、感染症予防法では危険度の高い順に一類から五類まで区分が定められています。
例えば、H5N1型の鳥インフルエンザは二類、などという具合です。
休まなくてはいけないのか
感染症予防法に定められている病気はその感染力や毒性が強いため、就業制限の有無が定められています。つまり、そのレベルによって、仕事をしてよいかどうか(働かせてよいかどうか)が法律で定められているということです。
ニュースなどで話題になる鳥インフルエンザは二類のため就業制限がありますので、仕事へ行ってはいけませんし、させることもできません。
逆に、一般的な季節性のインフルエンザは五類のため、就業制限はないのです。
では、季節性のインフルエンザは感染症予防法の就業制限がないから出社してよいということになるのでしょうか?
実はこれはノーです。
会社の環境や安全について書かれた労働安全衛生法という法律があるのですが、そこでは感染性の疾病にかかったものはその就業を禁止しなければならない、と書かれています。
これにより、五類のインフルエンザであっても産業医の判断などにより就業禁止措置が可能となるということになるのです。
ほとんどの会社ではインフルエンザの場合は休むこと、などのルールがあると思いますすが、こういう理由だったのですね。
給料はどうなる?
原則としては法律で働いてはいけないということになっている以上、その日は勤務日ではなく休日のような扱いになるため、会社としては給料を支払う義務はなくなります。その為お休みの期間中は無給となります。
ただし、社内ルールで年次有給休暇や病気休暇として有給で処理できるようにすることはできます。こちらはお勤めの会社でご確認ください。
・実際の現場では
昔は、風邪程度で休むなんて気合が足りない証拠!という風潮が強かったように思いますが、最近はきちんとマスクをしたり休暇を取ったりできる風潮が広がってきたのではないでしょうか。
とはいえ、インフルエンザを広めているのは自分は頑張っているアピールをしたい中間管理職のおじさんだというデータもあるとかないとか。
おそらくほとんどの会社でインフルエンザについてのルールはあるはずですので、きちんとルールに従い、社内でうつしてしまう前に無理せず休みましょう。
なお、この内容は起こり得る事例を想定し、一勤務社労士の知識と経験に基づいて
一般的な解説をお伝えしています。
実際の個々の事例においては様々な要因を考慮する必要もございます。
必ず上司の方や人事部・総務部、労働組合の方などとご相談やご確認のうえ、慎重なご対応をしていただくことをお勧めいたします。