29「カンコツ作業をマニュアルに」
いろいろな職場を見て歩くうちに、その職場独自のよいところを持って帰るようにもなった。ある職場では、星取表と言って、だれがどの程度技術に習熟しているのかをわかりやすく表示していた。これがあれば、みんなにとっては励みになるし、シフトを決めるときにもわかりやすいし、今後の教育の際のロードマップにもなる。
早速自分の職場でも取り入れることにした。
また、この頃には昼夜勤いれて約15名の職場になっていた。
そうなると、自分一人では教えることがなかなかできないようなときもある。昼番と夜番にそれぞれサブリーダをおいて、教育や指導をお願いした。
その際に伝える内容にブレがあるとこまるので、マニュアル化できるところはマニュアル化した。ぼくが塗装の職場に初めて配属されてから、ベテラン職人のみんなに口伝で伝えられたノウハウやカンとコツの作業を全てマニュアル化したものだ。今の世の中、もはやカンコツ作業に頼っている場合じゃないし、その人しかできない、という状態だと、その人がいなくなった時に製品が作れなくなる。
それに正直言うと、そんなに秘伝にするほど大した内容でもなかった。