労働者編 その1 ~振休・代休
ブラック企業でなくてもどうしても仕事が終わらず、
やむなく休日に出社するしかない・・
そんなこともありますよね・・。
今回は休日の労働などについてのお話です。
今回のご質問
仕事が平日で完了せず、土曜日に出社をして仕事をこなしたAさん。
月曜日に出社したときに、「休日出勤したからいつもより余計に
給料もらえるんですよね?」とウキウキしながら上司に確認したところ、
振替だから関係ない、との回答が・・。
本当はどうなのでしょうか??
答え
・振替か代休かによって取り扱いが変わってきます。
まずはその違いを理解して、事前に確認しておきましょう。
今回の法律のポイント
休日出勤には振替休日と代休という二つに分かれます。
振替休日とはあらかじめ決められていた所定休日をほかの日に振り替えること、
とされています。文章で読むと一見わかりにくいですね。
例えば、土日が休みの会社の場合は、今週は土曜日働きますから代わりに水曜日を
休みにします、というようにお仕事の日とお休みの日を入れ替えてしまうのが振替
休日です。
本来お休みの日とお仕事の日が単純に入れ替わっただけなので、お給料は基本的には
何の変更もありません。
もう一方の代休は、あらかじめ振替日を特定せず休日にお仕事をした場合、後日休暇を取得する(会社側からみたら休日を与える)こと、とされています。
こちらも文章ではわかりにくいですね。
例えば、金曜日までに終わるはずの仕事が終わらなかったので、土曜日に出社して残りを片付けた、とすると、土曜日の出社分は金曜日の残業の続きのようなイメージになりますね。
ですので、土曜日お仕事した時間については残業割り増しが支払われるのです。
ちなみに、代休については休日まで仕事して疲れたので休みをとらせてほしい、というような意味合いなので、必ずしも代休はとる必要はないです。
今日のまとめ
・休日出勤をする前に今回の休日出勤は「振休扱い」なのか「代休扱い」となるのか
事前に確認しておきましょう。
・代休の場合は休みを取る必要はありませんが、該当の休日出勤については割り増し分が支払われているかどうかチェックしましょう。
実務の現場では・・
就業規則が整備されていないのでそもそも利用ができないというケース、
担当者および現場のマネージャーの理解ができていないので適切に休日が与えられていないケースなどを経験しています。
労働者本人も割増賃金が発生するかしないかを知らない場合がほとんどですが、お金にかかわることは後で禍根を残すことになります。くれぐれも注意をしたいところです。ただし、上司の指示もなく勝手に会社に来て、仕事したんだから休日割増を支払ってくれ、みたいなのはダメですよ。
なお、この内容はあくまで一勤務社労士の知識と経験に基づいてお伝えしています。
実際の事例においては必ず上司の方や人事部・総務部の方などにご相談ご確認
頂けますようよろしくお願いいたします。