会社や仕事のあれこれを考えるブログ

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メンタルで休職していた従業員が復職するとき、人事は何を考えているのか

今回は、誰も言わないきわどい話題になりそうです。

いわゆるタブーですがあえて書いてみようかと。

あえて実態をさらすことで、誰かを不快な気分にさせることを

目的としているわけではなく、いや、こういう解決策があるよ、

という前向きな議論になることを期待してのこととご理解ください。

 

メンタル休職はどのようなときに発生するか

 

一般の従業員の方はどのようなプロセスが存在するのかすら、知っている人は少ないかもしれませんね。改めて載せておきますと、

①メンタル不調者発生

②症状が悪化し、業務や出社ができなくなる

③有休を使い果たし、欠勤状態になる

就業規則に照らして、休職スタート。本人はお休み

⑤定められた休職期間中に復帰できれば復職

⑥復帰できなければ休職期間満了退職

かなりざっとですが、こんな流れです。

休職のきっかけはいろいろですが、

本人が主治医の診断書をもって来たり、

異変に気付いた上司からの申告で産業医と面談させたら発覚したり、

連絡なく休み始めたり、突然行方不明になったり、

とほんとに様々です。

そうなってしまった理由も人によってそれぞれで、

そもそもメンタル不調になりやすい因子をもっていた、

(前職でそういう経験が実はありました、というケースも多い)

というのが多い気がしますが、

今の業務量、業務の種類、人間関係がもとで発症してしまうことも

あると思います。

 

休職から復職への過程 (誰がどうやって判断する??)

 

復職するときは、休暇中に主治医の先生から、もう大丈夫ですよ、

という診断書を取得出来たら、復帰の第一歩になります。

そのあと、会社で契約している産業医との面談を経て、

晴れて復帰、となります。

ここで気を付けたいのは、主治医の先生は、

日常生活が送れるほどに病状が改善したかどうか、が

判断基準なのに対し、

産業医は、それプラス、

業務に耐えうる状態になっているかどうかを見る、

ということですね。

なので、主治医が大丈夫でしょうと言って診断書を出してくれたとしても、

産業医が、「いや、通勤に間に合う時間帯に朝起きれてないよね」とか

「毎日通勤電車で通う体力まで戻ってないよね」「業務ができる判断能力まで回復してないよね」と判断した場合は復帰NGの判断がされることになります。

たいていの場合は、主治医からOKが出ているくらいなのでそこそこ

回復はしているわけですから、初回の産業医面談でNGでも、

2回目とか3回目で復帰できるケースが多いです。

ちなみに、かわいそうだから早く復職させてあげてよという声を聴くことがありますが、基本的には会社はリハビリ施設ではないので、甘い判断は禁物です。

誰が世話するの?となります。

 

人事担当者としては、この時点ではかなり復帰が濃厚になってきていると判断して、どの職場でどの業務をしてもらうか、という検討が始まります。

が、たいていの場合、元の職場に戻すのが通例ですが、上司とのトラブルが発祥の原因だった場合は元の職場に簡単に戻すわけにもいきませんし、かといって、体調不良者で未経験の従業員を拾ってくれる部署はそうそうないので、悩むことになります。

 

ちなみに休職期間が就業規則で定められている場合、その期間中に復帰できず、期限日を過ぎてしまったら退職になるのですが、復帰部署が決まらないとか、そもそも成績が悪い社員などの場合は、休職期間満了を祈る思いになります。

復職後に注意しなければいけないこと

 

配属先と業務内容、経過観察、これにつきます。

業務量が多かったから発症したんだろう、とかなんとなく想像はついたとしても、

本当の理由は本人にも分らないことも多いです。

それに、メンタル疾患になりやすい人は、概ね細かいところが気になってしまうタイプ、完全にやり遂げないと嫌なタイプが多く、仮に休職前の半分の業務量に減らしたところで、細かなところを一人でチクチクやってるので、仕事量は半分なはずなのに、業務時間は前と一緒、みたいなことになりがちです。

指導しても、「この作業は大事な作業なんです!」という回答が返ってきたりして、

無駄な作業(とこちらが思っていること)をやめさせることは至難の業です。

そんな感じなので対人トラブルのリスクもあるので、結果的に、あまり人と関わらなくてもよさそうな、そして納期に影響のなさそうな、やってもやらなくても社内に影響の少ない業務を探して与えるしかないかということになりがちです。

 

結局どうするべきなのか(従業員編)

 

ここまで見てきたように、一度メンタルダウンして休職するほど重い症状になってしまったら、退職するも悪夢、復帰するも悪夢、という袋小路にはまってしまう可能性が

とても大きくなります。

軽傷で、本人の意思が強い場合は、完全に乗り越えて、その経験を活かして、元の状態以上のパフォーマンスを発揮する例もなくはないですが、稀だと思います。

こうならないためには、何が何でもメンタル重傷者にならないこと。

これに尽きると思います。ちょっと最近眠れないな、やる気がでないな、食欲が落ちてるな、くらいの軽症のうちに、しっかり対策をして、治してしまうことが大事です。

このタイミングに気付かず、深刻化してしまうと、後戻りは相当難しくなると思っておいたほうがよいと思っています。

ちなみに、家族や配偶者は最大の味方のようでいて、あてにならないこともあります。

会社の上司さんがそういっているんなら、あなたの頑張りが足りないんじゃないの?とか、そんなにだらしない子はうちの子じゃない、頑張って会社行け、と言われてしまうこともあるでしょう。

自分の体は自分で守る、というのは現場作業の基本ですが、メンタルにも当てはまります。あれ?最近変だぞと思ったら、すぐにクリニックに行ってください。

そして、診断書をもらって会社に提出して、休養を取るか仕事の環境を自ら変えることです。同僚に心配されても気にせずに。何回も言いますが、この時点での対処が一番大事なので。

結局どうするべきなのか(人事担当者編)

 

人事担当者に異変が伝わるようなときには、すでに本人はそれなりのレベルになっていることが多いと思われます。

まずは、上司と相談してすぐに休養もしくは業務負荷の軽減などの措置をとることが最善かと思います。そこで回復すればよいですが・・。

休職になってしまったら、復帰した後のプランを想定しつつ、期間満了退職を祈りつつ、くらいしか手がなくなってしまいます。結局本人が頑張らないと、人事担当者側でできることは少ないんですよね。

 

というわけで、今日はメンタル疾患からの復職について考えてみました。

強いものだけが生き残る、という考え方は好きではないですが、

自分が弱い個体だと思ったら、どうすれば生き残れるか考えて、自分なりの生き残り策を考える、というのが大事なんじゃないかなと思いました。会社は助けてくれませんしね。

 

以上、現場からの報告でした!